(この記事は花はなの里ホームページで2003年7月に書かれた記事を転載しています)
ちっちは私のひざとかくれんぼが大好き!
すきをみてはちょこんとひざにすわってクリクリ目玉で私を見つめます。
「麻里さんアレ取って」「麻里さんコレ取って」
と言われても
「だめよ!チッチがいるから動けない」
そんなこともたびたび・・・。
「チッチと僕とどっちが大事なの?」と息子のつぶやき!
ごめんね、だってチッチはまだ赤ちゃんなんだもの・・・と私。
ある日私が仕事から帰るとチッチの姿がありません。
「ねぇ、チッチはどこ?」
「知らないよ、僕,学校から帰ってからズッと見てないよ!」「えぇっ!」
さぁ大変!「チッチ、チッチ」お風呂もトイレも押入れも家じゅう探してもニャンとも返事がありません。
「チッチ、チッチ」ベランダから呼んでも全く姿が見えません。おかしいなぁ・・・どこに行っちゃったんだろ!
知らず知らず「チッチ、チッチ」と呼ぶ私の声が涙声に変わっている事に気づいた息子はテレビを止めてチッチの捜索隊に加わりました。
「チッチどこにいるんだ!早く帰って来いよ!」
家を出てチッチの散歩しそうな所を息子と二人で探しました。私の目から不安の涙が次々流れ「チッチ、チッチ」と呼ぶ声もでません。
「麻里さん大丈夫だよ!もう少し探そうよ!それにしてもアイツどこへ行っちゃったんだよ!」
なんとも頼もしくてやさしい息子です。
そこへ主人が帰って来てチッチ捜索隊は3名になりました。もう一時間も探しているのに・・・最悪の状況を考えてしまい私はその場にしゃがみ込んでしまいました。
「いったん家に帰ろう!チッチが帰ってるかもしれないから」と主人!
「そうだよ、きっと帰ってるさ」と息子!
「・・・」私!
相変らず不安の涙が止まらない、チッチがいなくちゃいやだ!私のチッチ!
家に戻ってもやっぱりチッチの姿がありません!愕然とした私はひとりきりになりたくて自分の部屋に戻ったその時・・・カサコソ、カサコソ!
かすかに『ニャン』と泣く声!チッチだ、確かにチッチだ「どこにいるの?」
またカサコソ、カサコソ!音のする方をたぐっていくと、なんと洋服ダンスの中らしい!『まさか・・・』ギィーと洋服ダンスのドアを開けると目玉をまんまるにしたチッチがキョトンとした顔で私を見上げています。
「チッチ!チッチ!」私は急いでチッチを抱き上げてほおずりしました。
それからチッチを抱いて「チッチがいたよ!」さっきまでの泣き虫はどこへやらうれしくってうれしくって・・・
「さぁご飯にしましょ!お腹すいたよね!」
時計を見ればもう10時、それから私達はチッチと一緒に遅い夕ご飯を食べました。
その時、主人がポツリとつぶやいた。「私がいなくなっても麻里はこんなに心配してくれるのかな・・・」わたしは思わず聞こえないフリをした。
それにしてもどうしてチッチは洋服ダンスの中に入ったんだろう?
しかもタンスのドアまで閉めてあったのはなぜだろう?
チッチとカラオケ!
麻里さん!へたくそ〜!