(この記事は花はなの里ホームページで2005年6月に書かれた記事を転載しています)
獣医さんの予想通り六月三十日の朝、その日はミンミンゼミの
なきごえも暑苦し〜い、ジリジリ暑い朝だった!
チッチはパンパンに膨らんだお腹をしんどそうにかかえて風とうしのいい場所をえらんでは、あっちでゴロン・・こっちでゴロン
「夏腹は暑いよね・・・」
チッチの鼻先をつついてみた。
今日の私は会社も休みだ!チッチのお産がいつ始まっても
大丈夫!準備はばんたん。そんな私の事情と気持ちを察した
のか、チッチは私の足にからみつきながら・・・
「産みたいな!
そろそろ産みたいな!」
そんな目をしてわたしを見上げた。
「もしかして産みたいサイン?いよいよチッチのお産が始まるみたい。」
前もって用意しておいた大きめのダンボールの箱に
柔らかいバスタオルを敷きソッとチッチをいれてみた。
最初はクンクン臭いをかいで落ち着かない様子だったけど
やがて安心したように体の向きを決めると静かに陣痛にたえているような目で
私を見た。
「チッチ頑張れ!ママがついてるよ!」
腰のあたりを
そっとなでながら・・・チッチと私の気持ちはひとつだ!
夫は出産の瞬間を撮影しようとカメラを持って来た。
静かに
目を閉じ痛みに耐えるけなげなチッチは時々私にやさしい視線をおくる。
「頑張ってチッチ!」
夫と私が見守るなか一匹目がスルッと生まれた。
透明な膜に覆われた物体
「白と黒のモグラみたいなのが生まれたぞ!」
興奮しながら夫はシャッターをきった!
「えらいぞチッチ!」
賢いチッチは誰に教わるわけでもなくペロペロと子猫をなめ
愛しみながら初乳を与え・・疲れた様子なんてこれっぽっちも
見せない。
15分くらいの休憩があって・・・又陣痛がやって来たようだ。
約二時間かけて四匹の子猫を無事に出産!おっぱいもチュパチュパ飲んで
どの子もとても元気な子猫達だ!
男の子が一匹、女の子が二匹
一度に我が家は五匹の猫達と暮らす事になったのだ。
さすがのチッチも少々お疲れの様子でうつろな表情。ぐったりと
横たわりながら、四匹の子猫達にオッパイを飲ませている。時々排泄のために
お尻をなめてやったり。
そんなけなげな新米ママチッチを
私はウチワでそっとあおぎながら
「おめでとうチッチ!麻里さんは
おばぁちゃんになった気分だな。かわいい名前をつけてあげようね。」
「おめでとう!」お祝いのごちそうが届きました